今日の、おだし手帖

儚いから味わい深い、かつお節本来の香り

儚いから味わい深い、かつお節本来の香り

こんにちは。おだし先生です。

「かつお節の香り」とかけまして、「桜」と解く。
その心は…「一瞬のはかなさを楽しむ」。

かつお節の製造には「焙乾(ばいかん)」と呼ばれる工程があり、薪に火をつけた上で乾燥と燻しを2~3週間かけてじっくり行います。

これにより、かつお節には燻された香りがつくのです。
この香りは、かつお節を削った瞬間に「ぶわっ」と広がっていきますが、揮発性のため時間が経つにつれて弱くなっていき、1時間後にはほとんどなくなってしまいます。

まさに、かつお節の香りを楽しめるのは一瞬で、一年のうち一瞬だけ花を咲かせる桜に似ています。
(ちなみに、焙乾に使用される薪には桜も含まれるという繋がりもあります)

そのため、かつお節をトッピングやおだしに使う際には使用する直前に削りだしたり、削りパックの場合は直前に開封すると本来の香りと味を存分に楽しむことができます。

使いきれない分は冷蔵庫で保存できますが、削り節はしっかりチャックを閉め、かつお節の場合はラップなどでしっかり密封して、お早めに使い切るのがおすすめです。