北と南で生まれたおだしのマリアージュ
こんにちは。おだし先生です。
日本を代表するおだし素材といえば、昆布を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
色濃く薄い形状から海の香りがしてじんわりと旨味のあるおだしが出る、そして昆布巻きやとろろ昆布などのようにそのまま食べても美味しい昆布。
水出しですっきり、加熱をすれば濃厚なおだしを味わうことができます。
昆布は、収穫できる状態になるまで海中で1~2年成長に時間がかかります。
かつお節も熟成タイプの本枯れ節では、長いもので半年~2年も時間がかかります。
たっぷりの旨味が蓄積されるのに長い時間がかかるのですが、おだしを引く時間はたったの数分~数十分。
まるでセミの一生のように、一瞬の晴れ舞台のために長い下積み(?)期間で旨味を蓄積しているのです。
昆布単体とかつお節単体で引いたものより、両者をかけ合わせたおだし(いわゆる「合わせだし」)は旨味がぐんと増すという研究結果もあります。
昆布の大部分は北海道で収穫されます。
かつお節は主に鹿児島県で生産されるので、日本の代表的なだし素材は北と南で作られていると言えるでしょう。
北のだし素材である昆布と、南のだし素材であるかつお節が日本国中のあちこちで出会い一緒に使用され、日本の食文化を彩っています。
さらに最近は世界にも進出中…!
日本が生んだ素敵なマリアージュは、今後も魅力を発信し続けていくことでしょう。