今日の、おだし手帖

旨味が凝縮されたかつおエキスの活用

旨味が凝縮されたかつおエキスの活用

こんにちは。おだし先生です。

かつお節を作る工程の中で、2時間ほどかつおを煮る「煮熟(しゃじゅく)」という工程があります。

煮た後の魚は骨抜きや焙乾(ばいかん)と呼ばれる燻製・乾燥工程を経てかつお節になっていくのですが、カツオを煮た後に残された煮汁の活用についてお話したいと思います。

かつお節工場では1日に何度も煮熟工程があり、かつおの旨味が出た煮汁が大量に煮釜に残ります。
この煮汁は定期的に回収され、専用の工場でさらに濃縮されていきます。

これでできるのが「かつおエキス」。
めんつゆの原料などに使用されています。

枕崎では、この煮汁を家庭や工場などでさらにどろどろになるまで煮詰め、「かつおの煎じ」と呼ばれるタレに加工し、味噌汁など料理の隠し味として活用しています。

その味はかなり独特で濃厚な味であり、年配の方には「懐かしい味」としての記憶があるのではないでしょうか。

「かつおの煎じ」は、今では種類も少なくなってしまいましたが、枕崎の土産物屋で特産品として販売されています。
枕崎にいらしたらぜひ探してみてくださいね。